Works

/ 当店の仕事

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当店の仕事

手縫い靴の定番・・・

ハンドソーンウェルト製法です。ウェルトと呼ばれる革の部品を靴底に対して平行に縫い付けるので、返り(靴底の屈曲性)があまり悪くなりません。中物(靴底の中のクッション)を入れるスペースはやや少なめです。

 

 

見た目が好きです。

ノルウィージャン製法。アッパーに手縫いのステッチってかっこよくないですか?ボカァ好きです。手縫いの定番ではないですが、ウェルトがない分作りやすいと思います。いかにも手で縫いましたって感じを出せる作りです。中物を入れるスペースはほとんどありません。

底付の違いでどんな影響が・・・

あるかといえば、「返り」と呼ばれる靴底の屈曲性に影響があります。
当店で出来る底付け方法の種類は以下に。
 
・ステッチダウン製法
・ノルウィージャン製法
・ハンドソーンウェルト製法
・マッケイ製法(手縫いのマッケイも含む)
・ブラックラピド製法
・ノルウィージャンウェルト製法
 
上から順に返りがいいです。でもアッパー(足を覆う部分)に使う革、靴底の厚みと材料の違いが関係するので上記の順番通りとは限りません。
防水性はどうかといえば革底のマッケイ製法は水がしみ込みやすくハンドソーンウェルト、ノルウィージャン、ノルウィージャンウェルト製法はしみ込みにくいです。しかし革底なら遅かれ早かれしみ込んできます。

堅牢さ故の・・・

返りの硬さ。この写真の底付け方法が、先に書いた「ノルウィージャンウェルト製法」です。靴底の周囲に縫い付けた革をL字型に曲げているため、他の製法よりも返りが硬いです。右の写真の靴底は厚さ18mm、その分重く片足750gあります。ゴツい見た目通り、返りは硬いです。

違いがわかる人の・・・

上の写真の3つは同じ木型で作ったものですが、芯の厚み、底付け方法などの違いで見た感じが違います。…違いません?そう言われて見ると違って見えてきませんか…。

縫い目の数だけ物語がある。

というのは嘘ですが、縫い目の数だけ針穴があります。針穴が増えるとそこから破けやすくなりますが、そんなことばかり考えてもいられないのでパッチワークもします。ネコのひっかき傷も目立ちません。ハギレがたまるとパッチワークにすることもあります。

木型。

革を靴の形に成形するために使います。当店のフルオーダーはお一人お一人に木型をお作りします。左右の足を採寸し角材を削って木型を作ります。
ただ、靴を足に合わせるために大事なことは調整であって、一から削りだすことではありません。
ではなぜお一人お一人に削りだすかというと、木型の形には足に合わせるための私なりのこだわりがあり、お一人お一人違うお客様の足の大きさ、特徴、お好みの形にするには、既存の木型を修正するより、角材から削り出すほうが早く、安いのです(当店の場合です)。

アッパー。

同じ木型で靴を作っても、アッパーの素材が変われば履き心地は変わります。使う素材(革や布)には厚いもの、薄いもの、硬いもの、柔らかいものがあり、それぞれに良さがあります。
どんな靴を作るかによって素材を選びます。
革を好みの色に染めることもあります。
カカトと爪先に芯を入れてを硬く作ることもあれば、芯を入れずに柔らかく作ることもあります。

Career

/ 経歴

Career

経歴

子供の時から何かを作るのが好きでした。
プラモデルを改造したり(完成せず)、ナイフを研いだり(切れず)していました。
16歳から働いた鉄工所では、平面作りや、加工物の芯を出すことを覚えました。
大工仕事を勉強したときには、刃物の研ぎ方と、研いだ刃物の切れ味、水平、垂直が大事だということをを覚えました。
絵描きを目指したときは、デッサンも色塗りも難しすぎてあきらめました。あきらめることを覚えました。
趣味で始めた洋服作りでは型紙の作り方とミシンの使い方を覚えました。
 
20歳で革靴に興味を持ち、自分の靴のヒールを自宅で修理し始めた頃、靴修理のアルバイトに就くことができました。
3ヶ月後に見切り発車で靴修理で独立しました。
 
市販の革靴を何足か履きましたがどれも自分の足には合いませんでした。その頃雑誌で見た靴が欲しくなり探しましたが見つけることができませんでした。
そこで、自分で作れば見た目も履き心地も自分に合った靴が作れるんじゃないかと思いました。自宅にあった廃材を鉈(なた)、グラインダーなどを使って木型にし、使わなくなった鞄を解いて材料にし、アッパーも靴底も手縫いで初めての靴を作りました。その靴は自分好みの見た目と履き心地でした。
これをきっかけに靴作りが好きになり仕事にしたくて、作った靴を履くことを繰り返し続けました。
今では趣味で始めた靴作りを仕事にすることができました。
 
今はインターネットで靴作りの知識を集めることが趣味です。
これからも靴作りを仕事としても趣味としても続けていきたいと思っています。
 
ちなみに見切り発車で始めた靴修理では稼ぐことができず、一年半で貯金を使い果たして閉店しました。
 

西村 和真

1976年7月31日生まれ。
ハリーポッターの作者JKローリンズと、道具鍛治の名工といわれた千代鶴是秀
と同じ誕生日です。